第5回 懐かしいおふくろの味

2019年9月12日

2005年5月3日

もうじき子供の日、毎年この季節に思い出すのが、母手作りの「ちまき」です。 細竹に求肥でも練り切りでもなく、ほんのり甘くてモチモチした食感のものを巻きつけ、笹で巻いて蒸して作る、年に1度しかお目にかかれないちまき。蒸したてのアツアツを弟と食べた記憶もなんだか懐かしく、端午の節句のおふくろの味です。今、我が子にあのちまきを食べさせたいと思っても、再現不可能。出来あがったものを食べるだけだったひでむすは、一体何の材料で作っていたのか分らないのです。

「あの時習っとけばよかったな。母ちゃん、なんで作り方教えてくれんかったんねー。うちはまた、あのちまきが食べたいんじゃがー」と今更言っても後の祭り。母が他界して33年。どこを探しても、未だにあの味にたどり着けません。

子供の頃、ハレの日にはそれにちなんだ行事食があり、普段口にすることない母手作りの御馳走や珍しいおやつに心踊ったものです。 正月のおせち料理、ひなまつりの御寿司、花見のお弁当、端午のちまき…。母を思うたび、なにやかやと「我がおふくろの味」が思い出されます。

今のように娯楽が氾濫していなかった時代、我が家ではお弁当をもってどこかに出かける事が多かったですね。なんだか昔は行楽にもゆとりや作法があったような気がします。

「衣食住足りて礼節を知る」という言葉がありますが、家庭の味や日本古来の伝統行事を子供に伝承してゆく立場になり、なにをとっても母には負けてるなぁと、反省すると同時に、おふくろの味は無くしてはいけないぞとセッセとご飯作っています。

大型連休も、もう半ば。ひでむすも腕をふるって年に1度のおふくろ弁当…とまではいかなくても、簡単な混ぜご飯でもこさえ、思いでをつくりに、でかけましょう。卵焼きと胡麻和えに漬物も入れて、さあ、出発!

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混ぜごはん

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゚〇゚ 材料 ゚〇゚   4人分

ご飯、お茶碗4杯分約600g 鮭1切れ約80g 梅酢大2 炒り胡麻大匙2 刻みパセリ大匙1

゚〇゚ 作り方 ゚〇゚

1、 鮭は焼いてほぐしておく
2、 ご飯に梅酢、パセリ、胡麻、鮭を入れ切り混ぜる

<コメント>

今日は鮭の混ぜご飯です。酢めしは砂糖がいっぱい入るので、ひでむすは酢飯はめったに作りません。作る時もお酢と味醂です。が、傷みやすいこの時期、混ぜご飯には梅酢を入れています。色もピンクなのできれいで、塩気きいていて美味しいご飯に仕上ります。鮭とパセリ、胡麻という手間かからない食材を混ぜて作ります。パセリは冷凍して手でもむと、バリバリって粉々になるし、鮭はオーブントースターで焼くと簡単に美味しく焼けます。パセリの代りに三つ葉でも美味い。今、庭に勝手に生えている三つ葉を摘んできては、刻んで使っています。このレシピ、実は娘のお弁当に困ったとき急遽生まれたものです。なにせ、朝、鮭しか冷蔵庫になかったんだも~ん。庭にはイタリアンパセリ、擦り胡麻と梅酢はあった。どうだ、混ぜちゃうと美味そうだゾってね。これが結構いけて大好評。、すっかり定番です。まあ、お試し下さい。

ボツイラストにも愛の手を・・・