第32回 腹八分目が長寿の秘けつ

2005年12月6日

「長寿」と「長命」。漢字一文字ですが、裏に見え隠れする背景は、随分違って感じられます。平均寿命は「寿」という文字を使用しますが、「今の日本は長寿国ではなく長命国ですよ」という真弓定夫先生のお話しを伺い、講演会参加者のみんなと「長寿で生きたいよね」と盛りあがりました。
七十二歳の年齢にもかかわらず、早朝、東京の御自宅からいわきまでお越しいただき、到着と同時に休む間もなく講演会。昼食後の質疑応答にも立ちっぱなしでお付き合い下さり、講演会終了後、スタスタといわき駅まで歩いて、トットと東京まで帰られるお姿を拝見し、「イヤ~、まいった!」と元気長寿そのものに頭の下がるひでむすです。真弓先生の元気のパワーは日本人の体質にあった和食。ごはん、味噌汁、おつけもの…。旬のものを歯のバランスにそって美味しく戴くという事と早寝早起きの生活リズム。お目にかかってお話を伺うたび、日々の生活にながされ、軸ぶれをおこしつつあるわが身を修正する情けなさです。
日本人の栄養学を説いてこられた故川島四郎先生もユニークな食生活。起きがけにお砂糖と粉ミルクの入ったコーヒー。朝食はとらずおなかが空いた時、昆布や木の実、煮干しをつまみ、夜は麦飯茶碗1杯と青菜のおひたし2把分、イワシやサンマの缶詰3分の1缶と決まっていたそうで、それで90歳過ぎても元気に青年をしていらしたわけです。「我が栄養学の極意はここにあり」と卒寿を祝う席で読まれた御自身の漢詩に、「青菜海藻 米麦豆 小魚全食 不過量 長寿妙道 君識否 血液微鹸 萬歩行」とあります。あおい野菜、米や麦、豆、小魚を腹八分目に食べ、血液を弱アルカリ性に保ち、どんどん歩きなさい。という、まさに川島流長寿の秘訣ですね。
長年、食と健康の関連を伝えてこられた小児科医の真弓定夫先生、世界中どこでも出かけて栄養学の研究をされた農学博士の川島四郎先生。生涯現役で元気なお二人に共通するのは、食べすぎないということ。12月はクリスマスや忘年会など年忘れと称し、何かと食べすぎて、胃腸に負担をかける季節です。ここは1つ発想をかえて、腹八分目の長寿食パーティーって如何でしょうか?純和食のヘルシーメニューを洋風にアレンジして、リッチなクリスマスもいいかも…。************************

ひじき御飯のオムレツ

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材料
芽ひじき250g、(調味料)醤油、味醂、酒、
各大さじ1と2分の1 卵、ごはん

作り方
1、芽ひじきを洗って水で戻し、胡麻油で炒め、
調味料を入れて煮る
2、御飯に煮ひじきを混ぜ、小ぶりのお茶碗で形をとり
プレートに移す
3、卵に少量のひじきを入れて混ぜ、フライパンで
フワフワに焼き、ご飯の上にかぶせる。
☆ひじきに人参、大豆、糸コンニャク、油揚等の具を
入れるともっと美味しい

<コメント>

さて、本日のレシピは、芽ひじきを使ったオムレツ…じゃなかったオムライスです。芽ひじきは簡単に煮あがってくれますので、手間いらず。人参、牛蒡、コンニャク、油揚、大豆などと一緒に煮ると、豪華です。単品のお惣菜としてもいけますが、御飯に混ぜてお茶碗で型をとり、上から卵をかぶせると、一寸リッチな一品になります。ブロッコリー、人参、かぼちゃ等と盛り合せると彩りも綺麗。素敵なプレートにのせて、いろいろなアレンジでお楽しみ下さい。普通のお茶碗1杯に卵1個で丁度いい分量です。卵を焼く時、具をほんの少し入れると綺麗ですよ。