第58回 淡い甘口 多様な用途に

2006年6月27日

今年の春、満開の梅の花を見ながら「ムフフ、今年は豊作が期待できそうだぞ~」と取らぬ狸の皮算用をしてニタニタしておりました。自然の恵みというのは素晴らしい。なんと5キロもの立派な梅の実が収穫できたのです。知らぬ間に出てきた梅の芽があれよあれよと大きくなり、数年でこんなに立派な実りを与えてくれるのですから。自然からの贈り物にただただ感謝するばかりです。
青々とした梅をホレボレと眺めながら、「さて、なにに漬けようかしら…」と今度は嬉しい悩みです。梅干は4年前に漬けたのがまだいっぱいあるし、梅サワーか梅酒か…。味醂に漬けるのもいいねぇ。超簡単だしねぇ。ということで、味醂漬けに決定!
味醂が日本に誕生したのは戦国時代。それまでに行われた酒造りの工程に焼酎の製法を取り入れて、「濃く甘い酒」を造る新技術が生まれ登場しました。そう、本物の味醂ってお酒なんですよ。税務署で酒販免許をとらないと販売できないお酒。ということは、本物の味醂にはナント酒税がかかっているのです~。
当時、味醂はほんのり淡い甘口の高級な酒として飲まれていました。が、なにせ今と違ってお砂糖が高価な時代のこと、味醂がハレの日の甘味つけとして料理に使われはじめたのが調味料のはじまりです。
江戸時代には焼酎歩合の少ない「本みりん」と焼酎歩合の多い「本直し」が登場。お酒に弱い人や女性向けの飲み物として、また割烹などでの高級調味料として明治時代から大正時代にかけて普及しました。なにせ甘いお酒ですから オンザロックで飲むと美味しいんですよ~。
一般的にスーパーで取り扱っているのは、雑穀を原料にした「新みりん」と塩水の中でアルコール発酵させ後に甘みを加えた「塩みりん」です。今は「みりん風調味料」の名で親しまれていますね。当然、こちらに酒税はかかりませんので御安心を…。
□■□  梅酒(みりん編)  □■□

<材料>
☆ 梅…1キロ 味醂…700~800cc

<作り方>
1、梅を洗って水気を拭き取りヘタをとる
2、広口瓶に梅を入れ、味醂を注ぐ
☆ 秋口には飲み頃になります。ホント、簡単でしょ~。

<コメント>

味醂はお酒だった! これを初めて知った時にはもうビックリしてしまいました。オンザロックで飲ませて頂いた時にもね。
なにせ、碧南(名古屋)の三河みりんさんまで行ったのですから。このシツコサには、もうビックリ。が、行っただけのことはありました。いろんなカルチャーショックがあったものです。
で、三河みりんさんで、柳かげというお酒を作っておりまして、これが味醂のリキュールといわれ、とても美味しいんですよ。また飲んでみたいです。送ってもらうにも、数がいっぱいなので、とてもではないが1人、2人では取寄せられない・・・。
あ、味醂の梅漬けですが、ほんと旨いですから、ぜひ漬けておいて下さいな。お月見なんぞにちょいと飲むのにいいですぞ~。
余談ですが、砂糖は精製したもので、特に白砂糖は、純粋に人間らしく生きてきたかたがたには刺激が強すぎ、下手したらショック死するくらい精製度が強いそうです。なれとは恐ろしいものですが、健康に生きたいのだったら、なるべく自然にそった生活をするよう心がけたほうがいいですね。