第73回 笑顔運ぶ 秋のおやつ

2006年10月31日

 小学生の頃、児童図書「小さな魔女」の中に出てくる焼きリンゴに憧れました。パチンと指をならすと暖炉よりいい匂いの焼きリンゴが飛び出してくるのです。暖炉も焼きリンゴも見たことも触った事も無く、どんなものだろうと想像の世界であれこれ楽しんだものです。お喋り相手のカラス、アブラクサスとともに、すばらしくひん曲がった家に住む小さな魔女は127才。当時10才にもみたなかったひでむすは、127才ってどんなにすごい年よりなんだろうと想像もつかない程自分とはかけはなれた年齢でした。46歳になった今では「なんだ、たったの127才か」って思えますけどね。高齢化社会になり人間の世界でも100歳以上の方が沢山いらっしゃる御時世では、魔女の127歳ってホントにひよっこだなって想像がつきます。この小さな魔女さん、立派な魔女になるべく魔法の勉強をするもののいつも失敗ばかり。魔女としてはまだまだ子供なのに大人の魔女しか行けないブロッケン山のお祭りに潜り込み嵐の魔女に見つかって罰をうけたりするきかん坊。1年後の魔女の試験に合格してブロッケン山のお祭りに堂々と参加できるよう1日6時間していた魔法の勉強も7時間に増やし一生懸命頑張ります。どこの世界でもお受験は大変ですね。
 さてこの魔女さん、山で迷子になった子供に素晴らしく美味しいお茶とビスケットを御馳走しながらこっそり魔法を見せたり、意地悪な山の番人をやっつけたり、親孝行の子供を助けたり、魔法をつかって皆を幸せにしていきます。ひでむすはこのオチャメな小さな魔女が大好きでした。人間は残念ながら魔法は使えませんが、幸せいっぱいの言葉がけなら私達にも出来そうです。
 魔女の家のような立派な暖炉も我が家にはないので暖炉で作る焼きリンゴは無理ですが、鍋でつくるリンゴのおやつも笑顔いっぱい運んでくれる美味しい秋のスイーツですね。ぜひお試し下さい。

□■□  オサツリンゴ  □■□

<材料>
☆ サツマイモ500g、リンゴ(紅玉)3個
☆ バター大さじ1~2、ラムレーズン大さじ5
☆ シナモン少々

<作り方>
1、サツマイモは1口大に、リンゴは4つ切りにして芯をとる
2、厚手の鍋に材料を入れて蓋をし弱火でリンゴから出て
  きた果汁がなくなるまで煮詰める
3、最後にひとまぜして終わり

<コメント>

 焼きリンゴをルクルーゼの鍋でつくろうとおもったら、煮りんごになってしまいました。リンゴから果汁がでてくるのは分っていたのでサツマイモを上にのっけて果汁で蒸そうと思い、リンゴの上にどっちゃりサツマイモをのっけて蓋をしてコトコト煮ました。焼きリンゴが煮りんごになったので、そのサツマイモと一緒に混ぜて食べたら美味しかった。これだったら何も苦労してリンゴの芯をくりぬかなくってもいいんじゃないかいなって大胆に4つ切りにして重ね煮で作ってみたら同じ味。美味しかったです。娘もすっかり気にいってしまって、我が家の定番おやつになりました。