第25回 食べ物にもある「陰と陽」

2005年10月18日

朝夕寒くなってまいりましたね.夏があれば冬がある。上があれば下がある。前後、左右、白黒、紅白、男女、老若いろんな対の言葉があります。陰と陽も対をなす言葉ですね。陰陽って聞くと「太陽と月」を思い浮かべる方も多いでしょう。実は食べ物にも陰陽があるって御存知でしたか?陽性の物は、ナトリウムが多く、寒い土地や涼しい気候の時に収穫されるもの、ゆっくり育つ、背丈が低い、かたい、水分が少ない、地面の中で育つ等の特徴があり、一方で陰性の物はカリウムが多く、暑い季節や暖かい土地に収穫される、早く育つ、大きい、背丈が高い、やわらかい、水分が多い等の特徴があります。陽性の代表格は塩、梅干や味噌、たくあん、じねんじょやゴボウ、人参、お肉等です。一方の陰性の代表格は、果物。バナナやパイナップル、熱帯産の果物等は暑い所でしか育ちませんね。また、スイカのように夏に採れるものは身体を冷してくれる効果抜群。夏に食べるのはよいでしょうが、冬は止めておいたほうがよさそうです。冷えが一番の病気の元ですからね。
陰性で思いがけない物に豆があります。健康食として豆はとてもよいのですが、大豆は陰性の部類。なかでもお豆腐はかなり陰性。これから冬にかけての寒い季節は、冷奴ではなく湯豆腐やお味噌汁の具にして召し上がる事をお薦めいたします。最も、寒い季節に冷奴を食べる気分にはならないですがね。里芋、サツマイモは地面の中で出来るのに陰性。ルーツをたどると原産地が熱帯地方なんですよね。なーるほど納得って感じです。
さてさて、われら日本人が主食のお米はと言いますと中庸。アワ、ヒエ、ソバ等はやや陽性で麦はやや陰性です。気持ちも身体も中庸で揺れないのが一番。食べ物も長い歴史のなかで不思議に陰陽のバランスをとって食べるような仕組みが出来あがっている様ですよ。ハリウッドの映画などでステーキを食べるシーンの時、大きなスプーンで白いもの山盛りすくってるけど、何だろうと思っていましたがマッシュポテト、ジャガイモだったんですね。根菜類のなかでもジャガイモは陰性。陽性のお肉と陰性のジャガイモで陰陽のバランスをとって食べているんです。食べ合わせというのは先人の知恵の固まりだったんですね。
これから迎える寒い季節。常備菜に根菜類の中でも陽性度の高い人参でキンピラなんていかがでしょうか。

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 人参のキンピラ(4人前)

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材料
 人参2本、 塩小さじ1弱、胡麻油小さじ2、すり胡麻大さじ2。

作り方
 1、 人参を5ミリ角の棒切りにし、鍋に入れて塩を振り火にかける
 2、 弱火で人参がしんなりすまで気長に炒め、柔らかくなったら油をまわし入れて再度炒める
 3、 最後にすり胡麻を絡ませる

<コメント>

根菜類が旨い。大根も人参もゴボウもオイシイ!最近の食卓を見て、寒くなったんだなーってつくずく思うひでむすです。理由は根菜類の煮物とお味噌汁。暑い季節ってなんだかあんまり味噌汁飲みたくないのですが、寒くなってくるといるんだよな~、味噌汁がサ。で、本日の人参キンピラは、蒸してしんなりさせてから油を入れる方法です。塩を先にまぶすので人参に水分が出てくるでしょ、それでじっくり炒めるので人参の甘さが出てくるんです。それだけでOKなんですが、コッテリリッチ感を出したい方は胡麻油でもタラリとかけて仕上げるとコクがでます。さらにすりゴマをまぶすと美味よ。焦げないように超弱火で挑戦してみてくださいね(笑)