第108回 心身癒やす仏様の花

2007年9月4日

白水阿弥陀堂で秋風に吹かれながら大きく咲き誇ったピンクの花をボンヤリ眺めていると、以前恩師から聞いた話を思い出しました。
「ハスの花って知ってるか?」「はい、蓮根が取れるお釈迦様の花ですよね。」「ああ。そのハスの花ってさ、何処に咲くか知ってるか?」「え、泥の中でしたっけ?」「そうだ、泥の中に咲くんだよな。あの仏様の花はな、泥の中で一生懸命咲いてるんだ。劣悪な環境だって綺麗な花を咲かせる事ができるっていうことを教えてくれているんだよな。」どんな環境でも人にはそれぞれ輝く場というものがある。今ある現実を受け入れて一生懸命頑張っていると、綺麗な美しい花が見事に咲くばかりじゃなく泥の中では蓮根も出来ているんだ。お釈迦様の花ってすごいなぁと感動したものです。
ハスは生薬名を「連肉」(レンニク)と言います。「日本薬草全書」によりますと①平滑筋に対する作用、種子胚の成分デメチルコクラウリンには平滑筋弛緩作用がある。ロツシンにもその1/2の活性がある②オキソウシンスニンには鼻咽頭腫瘍の抑制作用がある…というような薬理作用が記載されています。「食用手当て法」ではレンコン湯は咳、痰、のどの痛みに、生レンコン汁は①激しい咳の時②咳を伴う38度以上の発熱時に用いることが多い…と、一般向けというか馴染みやすい手当て方法で蓮根の活用法が記載されています。
咳が出たからちょいと蓮根を煎じて飲みましょうと思ってもいつも蓮根が家にあるとは限りません。そんなときは蓮根の節を乾燥させてとっておき、水から煮詰めて暖かいうちに飲むと、胸がふんわり温かくなり咳も幾分落ち着いてきます。
お釈迦様の花って大輪に咲き誇って心を癒してくれるだけでなく泥の中では体を元気にしてくれる蓮根が作られている。
これから蓮根の美味しい季節になります。日々の食事で風邪などひかない元気な毎日をおくりたいものです。

□■□  レンコン湯  □■□

<材料>
☆ レンコンのおろし汁 大3
☆ 生姜のしぼり汁 2~3滴
☆ 塩少々 湯 大6~9

<作り方>
1、材料を鍋に入れて火にかけ、ひと煮立ちさせて
  温かいうちに飲む