第88回 可憐だけど嫌われ者?

2007年3月20日

 ポカポカした陽射しを浴びながら「ボ~」と庭を眺め幸せな一時を過ごしていたらフッと目についたドクダミの小ちゃな葉っぱ。「今年もいよいよお出ましか~」と闘志が燃えてきました。
 葉が心臓の形をし白い可憐な包葉(ほうよう)をつける「ドクダミ」。生薬名では十薬(ジュウヤク)と呼ばれています。これは馬に用いた時に10種類の薬効があったことに由来しているとか。利尿作用や抗菌作用、抗炎症作用等民間薬の代表例として皆さんもよく御存知の事と思います。
 それにしてもこのドクダミちゃんの繁殖力の旺盛な事といったら。地面の下でジワジワと勢力をのばし、一寸気をゆるすとあれよあれよという間に庭中ドクダミだらけ。どの雑草よりもグングン勢力を伸ばします。引っこ抜いた時のドクダミ特有の匂いはデカノイルアルデヒドという成分の匂いでカビの発育を抑え水虫、たむし、いんきんたむし等に対して抗菌作用があります。他にもブドウ球菌や淋菌の細菌にも有効です。匂いをかいだだけで本当に効果ありそうですね。この独特の匂いからもともとは毒溜(ドクダメ)と呼ばれていたものがいつのまにかドクダミとなりました。薬としてのジュウヤクは開花期の全草の事をいい、これを採取して水洗後、葉が萎えるまで日向で干します。さらに陰干しして乾燥させるのですが、ドクダミの収穫時期は梅雨の為に上手く乾燥させるのは難しいものです。生の葉には強い抗菌力があるので葉を何枚か重ねて火であぶりドロドロと柔らかくなったものを冷まして貼りつけると化膿性の腫れ物の膿を吸い出してくれます。が、生での食用はあまりお勧めできず、天麩羅で2~3枚楽しむ程度。この匂いは乾燥させると消えるので煎じて飲む場合は生より気にならなくなります。
 こんなに立派に役立ってくれるドクダミ。見た目も可憐で素敵なんですが我が家では嫌われ者なの何故なんでしょうか。

□■□  ドクダミの天麩羅  □■□

<材料>
☆ ドクダミの葉、小麦粉、水溶き小麦粉、菜種油

<作り方>
1、ドクダミの葉を洗い小麦粉をサッとまぶす
2、薄めの水溶き小麦粉にくぐらせ油でカラッと揚げる