【おかげ様の教え】86話 心をすませば…
『心をすませば
聞こえてこよう。
木や草や、語れぬ
者達の心の声が。
よいか、耳で聞くのでは
ないぞ。心をすますんじゃ…』
確かに、一度だけはっきりと桜の声が聞こえた事があります…
「つらい、つらい………」と。
もう何年も前の事です。
枝垂れ桜として有名になってしまったその桜の声は、本当に辛そうでした。
引越し先で、その桜のことを知ったひでむすは、毎年楽しみに開花した桜さんに会いに行ってました。
田舎の土手に、満開に咲き誇る堂々とした姿はとても美しく、感動を呼ぶほどの見事さでした。
そのうち駐車場ができ、土産物屋が並び、柵が張られ、夜もスポットライトを浴びるようになった頃、その声は聞こえてきました。
「つらい、つらい」と。
早朝のため、その時周りには誰もいませんでした。
どう考えても、桜さんの声です。
桜さんの辛さに同調してしまったひでむすは、その後、その桜さんに会いに行けなくなってしまいました。
その頃からでしょうか、地球という星は、なんでも提供してくれるのに、我々は愛でることをせず、我欲に走ってしまうのだろうかという意識を持ちはじめたのは………。
最近は、なんとなく動かないものたちの声が聞こえるような気がします。
彼らは訴えかけている。
「愛して」って。
人も、物も、そして自然も自分も、全てを愛する知恵と知識と行動の練習をはじめたひでむすです。(練習中の初心者ワッペン)
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