第28回 発酵か腐敗か、考えて口へ

2019年10月9日

2005年11月8日

「なんだか最近、暖かいよねぇ…」福島県に住み始めて二十年近くになりますが、第一印象は「寒い!」という事でした。冬に冷蔵庫のドアを開くとなんだか庫内が暖かい。「冷蔵庫が壊れちゃったよ」と慌てたものの、外気の方が冷蔵庫より温度が低かっただけだという事を知り、ショックでした。9月になるともう寒くて、コタツ出そうかいなと真剣に考えていたくらいですから、「十一月になってもこの暖かさって異様じゃない?」と思ってしまいます。人間にとっては暖かいほうが過ごしやすいわけですが、寒暖の差で色つく紅葉もまだだなぁ。寒いと物も腐りにくいし。ところで、腐ると言えば、発酵も腐敗の一種だって御存知ですか。
地球上のありとあらゆる場所に住む微細物。肉眼で見ることが出来ないので、なんだか一緒に住んでいるという気はしませんが、摂氏300℃の熱泉の中にも、石油や空気、鉄鉱石の中にも住みついているというのですから驚きで、それぞれの環境に適合したエネルギー源、つまりエサを持っているわけですね。空気中にいるということは、私達の周りも微生物だらけ。腸内はもちろん、皮膚の表面や口の中、目等も微生物と共存共栄しているわけです。この微生物サン達はありとあらゆる物をエサにして生きています。
動物にとって困った微生物サンは、寄生性従属栄養細菌って訳の分らない名前がついており、ある特定の生物の細胞や組織に住みついて、そこの有機物をエネルギー源にする厄介な微生物です。一般的には「病原菌」って呼ばれています。一方、腐生性従属栄養細菌と呼ばれる、動物の死体や落ち葉等、すでに生命活動を行なっていない細胞や組織をエネルギー源にして生きている微生物の分解過程を腐敗、もしくは発酵と呼んでいます。
炭水化物を多く含む野菜や穀物等は、発酵すると有機酸やオリゴ糖を大量に発生させ、食欲をそそる良い香りになります。有機酸は疲労回復や殺菌効果、オリゴ糖は腸内細菌の活動を活発にしてくれる作用でも知られ、カラダに有効な働きをしてくれるのは皆さん御存知の通り。お酒の発酵も良い香りとお友達ですね。一方、腐敗によって作られるインドールやスカトール等は、臭いが強烈で発ガン作用があるとされており、あまり嬉しくないですね。
今日のメニューは腐敗か?それとも発酵か?一寸考えてから口にすると、カラダによい健康生活が送れそうです。健康生活にはもう1つ。腸内の大掃除、食物繊維も忘れずにとりましょうね。

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 ニラのおやき(1人前)

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材料
 ニラ 1束、オカカ 10g、醤油小さじ1、
 片栗粉 大さじ2、水 150cc、胡麻油 小さじ 1

作り方
 1、フライパンに胡麻油を引き、、3㌢に切ったニラを炒め、
   お醤油で味をつけオカカをからませる
 2、水溶き片栗粉を回し入れて両面をこんがり焼く

<コメント>

ひでむす本音を暴露です。今日の新聞のエッセイはサラッと読めなかったんじゃないかな~。専門用語は使わないって決めたのに、こ難しい単語を使ってしまいました。寄生性従属栄養細菌とか腐生性従属栄養細菌とか…。ワケワカメ~と思いながら読まれた方、多いのじゃないかな~。で、今日のお焼きのポイントは、ひっくり返す時です、グニュっとなって団子になっちゃうのだ!ニラを香の良い胡麻油でよく炒めて、醤油をジュっと絡めるでしょ。それにオカカをサラッと入れてミュミュと混ぜてフライパン全体に伸ばし、水溶き片栗粉を全体に伸ばします。兎に角焼けるまでじっくり待ってひっくり返す。うまくいかなくて団子になっても美味しいから、ぜひ挑戦してみてくださいね(笑)