第54回 殺菌作用に夏場重宝

2006年5月30日

 遠足、運動会、田植え…。外で食べるのにはもってこいの「おむすび」が大活躍の季節到来です。ところでこのおむすび。見た事も聞いた事もない人に説明するとしたら「手に塩つけてご飯をまるめた物」とでも言うのでしょうか? それにしても、どこも結んでないのに何故おむすびなのかしら?「おにぎり」や「にぎりめし」という表現は何となくイメージできますよね。ああ、ご飯をギュって握ったからだな~って。が、「おむすび」っていうと、どこも結んでないのになぁって不思議です。なんだかとても気になったものですから、ちょいと調べてみましたら、平安時代に「屯食」(とんじき)という宮中で饗宴を行なうときに地位の低い僧などに配った強飯(こわいい)を握りかためて卵型にしたものがおむすびのルーツだったようですね。それが室町時代になってから「ひもの結び目のようにギュっと固める」という意味で、女房言葉で「おむすび」と呼ばれるようになったようです。今では、海老天ムスビの大ヒットと共にバリエーションも増え、嬉しい限りです。おむすび、大好き!
 しかしながら日本という国は湿気の多い風土気候ゆえ、これからの季節、温度、湿度とも雑菌さん達が最も活動的になる食中毒の季節です。手で握るおむすびも気をゆるすとアッという間に変な匂いがしてきますね。人間に都合よい働きは発酵、都合わるい働きは腐敗と呼ばれている訳です。どちらも自然現象ですが、腐敗には気をつけたいものです。
 台所で大活躍の天然からの贈り物、米の発酵最終到着地点であるお酢は殺菌作用の代表選手。夏場は多いに活用したいものです。
 「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と心して食え」とは明治時代の軍医 石塚左玄さんの言葉です。暑い夏にはセッセと汗をかいて排毒し、お酢をとって元気に乗りきりましょう。で、今日は野菜の酢漬け、かっこいい言葉では「ピクルス」なんて呼ばれているものです。

□■□  生野菜の酢漬け  □■□

<材料>
☆ 水6カップ 酢160cc 塩30g
☆ にんにく 一片

<作り方>
1、材料をひと煮立ちさせて塩を溶かす
2、冷ましてからお好みの野菜を食べやすい大きさに
  切って漬け込む
☆ 夕方漬けて一晩冷蔵庫に寝かせると朝には出来上
  がりです

<コメント>

 冬は煮物で、夏は生で…。野菜も季節によって食べ方いろいろですね。今回のピクルスは、サッパリしていて野菜がバンバン食べられますので,ぜひ御活用ください。
お酢もカラダにいいので、自然にとりたいものです。無理して酸っぱいのは飲みたくないのでね(笑)
それにしても雨が多い…。日照不足で実りが心配です。夏はくるのかなぁ…。
そうそう、ピクルスにむかない野菜は糠漬けにしたら如何でしょう。米糠と塩を混ぜてビールをガハガハいれて出来上がりです。
超簡単。糠床をかき混ぜているとお手手もスベスベになってきます。一石二鳥ですね。
茄子、キュウリ、人参等が定番ですね。キャベツも結構いけます。なんでも探求心旺盛にいきましょう!