第53回 独特の風味で汚名返上

2006年5月23日

 こごみ、ぜんまい、ウド、タラの芽…。芽吹きの季節の大地の恵みですね。年が明けると蕗のとうや土筆が出てないかなァと地面を見つめ、4月、5月はウドやタラの芽、ぜんまいにワクワクしているひでむすです。いわきに越してくるまで、ぜんまいもウドもタラの芽も食べたことがありませんでした。こごみなんて見た事も聞いた事もなかったです。「え、これ食べれるの?」って、地面から出てきている草みたいな茎みたいな羊歯みたいなわけのわからないものを摘んで食べちゃうという事に、素晴らしいショックをうけました。たらの芽っていうのが、新芽だなんて知らなかったし、ウドなんて、あの「ウドの大木」のウドかい?ってしみじみ眺めたものです。それが今や、大地から直接いただいてくる醍醐味にはまってしまいました。広島から引っ越して20年。目の前はアスファルトで舗装された道、一歩外にでると車がブンブン走り、庭どころか土がない生活をしていた者にとっては、地面から食べ物が生えてくるというだけでビックリしていたわけです。自然いっぱいの環境に随分成長させていただきました。
 ところで、身体ばかり大きくて役にたたないという意味で使われる「ウドの大木」。どんな巨木なんだろうと思っていましたが、実体は「木」ではく、日本や朝鮮半島、中国に自生する「多年草」だったのですね。春には食用に適した若茎ですが、その後1.7~1.8メートルにもなり、かといってそれ以上伸びる訳でもなく、やがて枯れてしまう。大きくなりすぎたウドは食用にも材木にも使えない…。そんなところから「大きいのに役にたたねー」という素晴らしいレッテルをはられてしまった気の毒なウドさんです。酢の物や天婦羅として、春先には立派にお役にたってくれるのにね。独特の風味で美味しいんだよ~。故に、ウドさんも汚名返上! 大きいばかりで役にたたない人もいな~い。だって、ウドは大木じゃなくて多年草なんだも~ん。今後は木じゃなくて多年草として見ましょうね。

□■□  ウドのみそ煮  □■□

<材料>
☆ ウド 250g 胡麻油 大匙2
☆ 水 150cc 酒・味醂 各大匙1
☆ 味噌 大匙2 醤油 小匙1

<作り方>
1、ウドの白い部分は短冊に、緑の部分は粗みじんにする
2、鍋に胡麻油とウドを入れ、ウドのよい香がするまで炒
  めてから水を入れて蓋をし、弱火で煮る
3、ウドが柔らかくなったら醤油を回し入れ、味噌をのせ
  て煮きる
4、最後にひとまぜして出来上がり

☆ お好みでお砂糖など入れてください

<コメント>

 オッハー、ひでむすです。ウドって多年草だったんだね。あービックリ!兎に角、ウドにしても、わらび、ぜんまいにしても、食べたことないものにとってはそこいらへんで摘んできた物をたべちゃうっていう事自体、すっごい驚きでした。土筆なんて食べたことなかったし、蕗もなかった。タラの芽というのが本当に若芽だと知った時はビックリしたもんでい。
 それにしても、せっかく一生懸命出した新芽を食べられちゃうなんて何と気の毒。人間というか動物ってみんな植物に養ってもらっているんですよねぇ。人間はさらに上をいっていて、動物まで食べちゃうんだから、一番残酷な動物かもね。それなのに、宴会などで山のように残された魚やお肉、海老や蟹を見ていると、ひでむすは胸が傷みます。無用な殺生はしなくていいんじゃないかなぁ…。みんな幸せに天寿をまっとうしたいんだからねぇ…って思ってしまうのです。自分が食べられるぶんだけ、ありがとうって言って食べる。これが自分も幸せに暮らす道なんじゃないかな~って思いながら、宴会の残りなどもらって帰って再度家で食べています。
 さて、本日のレシピ、結構簡単で美味しいんだ。作りおきには最適です。特に注意する点もないしね。ぜひ挑戦してね。