第86回 余った栄養体の”スス”

2007年3月6日

 メタボリック・シンドローム。日本語では「内臓脂肪症候群」と言います。読んで字のごとし。内臓に脂肪がたまるって事ですが、なんでこんなことになるの?といいますと、原因は食べすぎ。野生の動物というのは生きる為に食べ物を得るのに必死です。動物の縄張り(テリトリー)というのは食べ物が入手できる範囲といっても過言ではありません。そこに命をつなぐ食がなくなれば食べ物を捜し求めて流浪の旅がはじまります。飢えの歴史が長かった動物の身体というのは空腹に強く、幸運にも多くの食物にめぐり合えた時には脂肪として蓄えられるようにつくられています。日本の歴史を振りかえっても餓死する時代はあったにせよ食べ物が溢れかえるというのははじめての現象です。「食べすぎるとどうなるのか」という詳しいデータがこれまでは無いに等しかったのですね。ハンバーガーやステーキを大量に食べはじめたアメリカで超肥満の人が急増し健康障害に悩む大国となっているのもここ数十年の現実です。
 人というのも動物の一種です。身体のつくりは人種に関係無く、例外というものはありません。自分の消化能力をこえて食べすぎると不完全燃焼、つまりススがたまったような状態になり身体の中でくすぶり続けるのですね。老廃物がたまってしまうのです。糖分をいっぱいとりすぎて身体が処理できず体内を循環し尿からでてくるのが糖尿病、蛋白質をとりすぎて分解できず皮膚から排泄されるのが皮膚炎、尿からでるのが腎臓病。脂質が燃焼できずに血液中に漏れ出てくると高脂血症。スス化した中性脂肪やコレステロールが血管壁にくっつくと動脈硬化ですし、血管につまれば心筋梗塞や脳梗塞になるのですね。こうしたスス、つまり不完全燃焼の栄養分が内臓に蓄積し燃える順番待ちをしている現象は好ましい事ではありません。どうしたらススをためこまず不完全燃焼をおこさない健康体になるのか、次回お伝えいたしますね。

□■□  厚揚げステーキ  □■□

<材料>
☆ 厚揚げ1枚 醤油大さじ1~1.5
☆ 生姜少々 水溶き片栗粉少々

<作り方>
1、お湯で油抜きした厚揚げを、フライパンでこんがり焼く
2、生姜醤油で味をつけ水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつける